昨秋に第一子を授かり、家事に育児に仕事に…と今まで以上に多忙な毎日を送るラブライフアドバイザーのOliviAさん。

産前産後は、カラダだけでなくココロも大きく変化。ひとりの女性としてだけでなく、親という側面も増え、パートナーに対する意識も関係性も変わり、さまざまな悩みやストレスに直面します。

そこで、今回は、産前産後に起こりやすいデリケートゾーンのお悩みやパートナーとの性生活についてをOliviAさんにインタビュー。

教えてくれたのは…

産後は膣がゆるむ！ 尿もれ対策は産前からの膣トレがオススメ！

「出産による膣のゆるみ方は分娩方法によって異なりますが、帝王切開でも経膣分娩でも産前から骨盤底筋に赤ちゃんの重みなどで圧がかかり、筋肉が伸び、膣が緩んでいきます。なので、尿もれは産後だけでなく妊娠後期から始まる方もいらっしゃいます。

私の場合は、妊娠後期から尿意のコントロールが難しくなり、常に尿意を感じました。産後も膀胱にどれくらい水分が溜まっているか把握しづらく、自分の感覚が鈍っていましたね。まさにお腹が大きくなって筋肉がダメージを受けている状態。そしてオーガズムが明確にわかるのも筋肉なんだと再認識。膣のトレーニングの重要性をとても感じました

産後、膣は収縮して少しずつ回復していきますが、早い回復を目指したいなら、やはり膣トレが必要です。特に骨盤底筋の衰えが膣のゆるみの原因ですので、骨盤底筋のトレーニングである程度まで回復が望めます。

膣トレでは、インナーボールなどを使って行うのが一般的ですが、産後すぐは膣の中を刺激するのは少し怖いですよね。ですので、外からのアプローチでトレーニングできるアイテムを使うのがオススメです。徐々に挿入タイプも使えそうになってきたら、膣の中からも◎です。

アイテムが用意できないときは、丸めたスポーツタオルを椅子に縦に置き、その上に座り締める⇄緩めるを繰り返してもトレーニングになりますよ！」(OliviAさん)

パートナーとの関係性をより良いものに！ ふたりのリラックスタイムは必須

「医師に伺うと、性欲が減退する原因はホルモンの分泌が減少し、バランスが崩れるために性欲が低下すると言われていますが、私は、ホルモンバランスの崩れからくるものとパートナーの男性だけに対するものの2つがあるように思います。

パートナーが家事育児に非協力的な時は昼間からストレスが溜まって、性欲が減退するということも。これは関係性を見直す必要がありますよね。なので、産後はソフトなコミュニケーションから少しずつスタートするといいですね。

やっぱりできるだけリラックスして、副交感神経優位の状態になるように自分で状況を整えてないと『セックスなんてしない方がいい！』となってしまうので、自分でも夫婦でも準備をしていきましょう。

その中で感謝も不満も伝えて、ふたりと子どもにとってより良い家族のカタチが作れるといいですね！」(OliviAさん)

性生活の準備をSTART！セクシャルファンタジー＆セルフプレジャーのススメ

「先ほどもお話ししましたが、産後はなかなか性欲も湧いてきませんよね。性行為は産後1ヶ月後から再開できるけれど、月刊TENGAの調査^＊1によると、産後1年から5年経った男女に聞いた2019年の調査では、産後1年経ってもセックスをしていない人は22％。産後6ヶ月から1年で再開する人が一番多いようです。

確かに、自分のホルモン的な要素と男性の家事育児の非協力的な態度などで性欲は減退するけれど…。再開の日のために受け入れ態勢を整えておくことも大切です。性欲を呼び起こすために自分でセルフプレジャーをして、頭を興奮させましょう！

エロティックな空想を“セクシャルファンタジー”というのですが、それを育むトレーニングやセルフプレジャーアイテムでカラダをほぐすといいですね！ そうすると、パートナーを受け入れられると思うので、頭の中をHモードにするというのも大事です。

ある程度、脳もカラダも性的に刺激しておかないと急にスイッチは入りません。赤ちゃんのお世話で大変だと思うけれど、ムラッとくるとか、そういう気持ちを喚起するようなセクシャルファンタジーを膨らませておくことも性生活を再開するために必要です。

セクシャルファンタジーを抱かせるには、映像が一番イメージしやすい。Netflixなどの動画配信でエロティックなドラマや映画を探してもいいですし、AVを観る方も多いですよ。その他にも音声や、活字に興奮する方は小説やマンガでも。素材は自分で探して、自分で喚起することが大事です。パートナーというより自分の中で楽しめればOK！ セクシャルファンタジーを抱くこともセルフプレジャーの一環です。

そして脳が興奮し、気持ちが高まったところで、セルフプレジャーアイテムを使うといいですよ！ ただ、膣内にそういったアイテムをいきなり使うのはハードなので、外側から攻めるアイテムがオススメです。なので今回はクリトリスを中心に攻められるアイテムをご紹介。これらで愛液が出てくる感覚を思い出してみましょう」(OliviAさん)

＊1：月刊TENGA第18号 産前産後。性生活実態調査より

今の自分を愛でる！ ボディイメージUPのためのセルフケア

「産前と産後でカラダは大きく変化します。それは膣も同じ。でも、出産しても外性器を見てない方は多いんです。

ボディイメージの変化を受け入れるという意味では、カラダはもちろんのこと、膣周りも自己観察して、変化を感じ、新しい自分を受け入れてほしい。そのトレーニングの一環として、鏡を使ってカラダや外性器を見てください。

最初は鏡をただ見るだけでもいいんです。バストの形が崩れたな、お腹が出ちゃったななど、外陰部は色が変わったな、形が変わったな…etc. と自分とまずは向き合ってみてください。実は見ることで自分を受け入れていくことができると言われています。そして海外のカウンセリングで使われている“ミラーワーク”という方法を取り入れてみましょう。方法は簡単です。鏡を見て、良いところを探して褒めるだけ。

外陰部は一般的に、妊娠で色が濃くなっていたり、経膣分娩の場合は、会陰や膣を縫うことで外性器の形が変わっていたりしています。今の自分の状態を知るためにも、まずは自己観察をするというのがいいですね！

産後は見えない場所を作らないのが目標です！ デリケートゾーンも見慣れたらなんてことありませんよ。私の場合は、“見る”ことに抵抗がないので、気が向いたら見ています。乾燥してないかなとか、Vラインの毛が薄くなったのは産後の脱毛!?とか考えることも(笑)。

気になったら見る。もし自己観察しているときに指を入れられるなら、膣の感触を確認しながら、どの向きが痛くないか、気持ちいいなども感じてみてください。

それを続けることで、トラブルにもすぐ気がつくことができるようになりますよ」(OliviAさん)

いざ！のときに失敗･後悔しないために準備しておきたいもの

「産後、セックスに挑戦して驚いた方も多いはず。産後は、『こんなに濡れなくなるの!?』と思うほど潤いません…。

せっかくココまでステップアップしたのに、いざ実践となったら痛くてできなかったという方も。なので、産後のはじめての性交渉で用意してほしいのが潤滑剤。枕元に用意しておいて、行為がはじまったときに『濡れていないな』『痛いな』と違和感を感じたらすぐに使ってください。最初から使う前提で、潤滑剤を膣周りに塗りのばしておくのもいいと思います。

産後のデリケートゾーンは刺激に敏感なので、香料が入っていないシンプルな成分配合のものを選ぶといいでしょう。基本はウォーターベースがオススメですが、塗っても膣が吸収してすぐに乾燥するならオイルベースでも。ただしオイルベースの潤滑剤とコンドームの併用はコンドームは破れやすくなるので避けた方が無難です。

そして、妊娠中に性交渉を控えていた方は久しぶりの性生活で膣が萎縮して入りにくくなっていることがあります。その場合は、グッズに頼るのも◎です」(OliviAさん)

「いよいよ、産後の性生活スタートという日の前日はよく寝てくださいね！睡眠をしっかりとって、行為に挑まないと濡れないということも。より良い夫婦生活のためにも休息をとることは大切です。

産後は交感神経優位で赤ちゃんの声にすぐに反応するので、子どもはしっかり寝かしつけましょうね!

『痛いし、眠いし、早く終わってー』とならないためにも、準備をして、ぜひ素敵な夜を迎えてください」(OliviAさん)