初公開の苦悩も!関西弁CA Ryucrewさん【YouTube登録数24万人】が語る「自分らしい生き方」とは?

バンクーバー在住の関西弁CA(客室乗務員)として大活躍のYouTuber Ryucrew(リュークルー)さん。英語を話せるようになりたい!CAになりたい!カナダに移住したい!そんな数々の夢を追いかけて、着実に叶えていった彼は、コロナ渦に始めたコテコテの関西弁で海外事情やCA生活を伝えるYou Tubeでブレイク!今やチャンネル登録者数24万人を抱える人気者です。

そんなRyucrewさんがこの春、本を出版! 『国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方 当機は“自分らしい生き方“へのノンストップ直行便です』では、ちょっと真面目に、そしてお馴染みのユーモア溢れる語り口調で今まで語ってこなかった話を本では繰り広げてくれています。

今回はその出版を記念してインタビュー。彼の生きる力、夢を叶える力について。そして飛び立つためのヒントを与えてくれます。

 

お話を伺ったのは…

関西弁CA YouTuber Ryucrew(リュークルー)さん
1992年生まれ、大阪なにわ育ち、カナダバンクーバーを拠点とする外資系エアラインの現役CA。欠航が相次ぐコロナ禍のもと開設したYouTubeチャンネル【関西弁CA / Ryucrew】は、チャンネル登録24万人超*1。コテコテの関西弁と人間味のあるユーモアで、客室乗務員の仕事やカナダでの生活、旅のTipsを配信。日本テレビ系『マツコ会議』ほか、数々のメディアに出演。
You Tube:https://www.youtube.com/@ryucrew
Instagram:@ryucrew_vancouver
X:@Ryucrew_MaleCA
*2024年3月現在

【INDEX】

思いがけない出版のオファー。「誰かの役に立つならば…」と一念発起!

――本を書いてほしいとオファーがあった時、どう思いましたか?
最初は普通にびっくりしましたよ。「書くことないで! 本にするような内容がないし、分厚い本を埋めるほどの文章の内容なんてないないって!」と思いましたね(笑)。でもその反面、作るとしたらどんな本になるんだろう!?と頭をよぎりました。

 

――オファーではどんなことを書いてほしいとのご依頼でしたか? Ryucrewさんご自身が伝えたいという内容もあったのでしょうか?
海外での仕事のこと、海外での暮らし、動画ではまだ明かしていないようなエピソードを書いてほしいとのお話をいただきました。
でもやっぱりネタになる話ってあるんかな?と思いましたけど、いざ本を進めさせていただいている間に、自分が当たり前のようにやってきたことやパーっと流していたこと、病気などの自分の経験を文字で起こしてみたら、同じことで悩んでいる人に伝わることもあるのかなと思い始めて、徐々に話を掘り出していった感じです。

 

――確かに、パニック障害については本で初めて明かされたんですよね?
そうなんですよ。別に隠している訳ではなかったんですけれど、YouTubeで伝えることでもないかなって思っていたので…。でも本は表現とかトーンとかがないので、字で書き起こした方が伝えやすいというのはありましたね。
YouTubeってバラエティ要素もあるので、捉えられ方も色々あるし。でも本って興味のある方が読んでくださるのですごく良い機会だったかなというふうには思っています。

「ユーレイルグローバルパス」を使った7泊8日の超弾丸ヨーロッパ周遊旅行。あるはずの車内レストランがなく…車掌さんに相談したら車掌さんのパンを分けてくださったという珍道中もあったルーマニアへの列車旅の写真。動画編集を行うRyucrewさん。

――世界中をCAとして飛び回りながら、週数本YouTube動画をアップして、家事やゆずくん(Ryucrewさんの愛犬)のお世話もして、よくこんなに大量の文章を書かれましたね!
編集者の方といろいろやりとりさせていただいて、本当にお手伝いをいっぱいしていただいて、完成させたんですけど、でも実は結構時間はあって(笑)。
外資の航空会社ってスケジュールが割と融通が利くので、ちょっとしんどいな、時間がないなという時はフライトを誰かに変更してもらうことができるので、こちらの本に取り掛かっている際はフライトを以前の半分ぐらいにして、本を書いたり動画編集をしたりしていました。
ステイが3日あっても、中1日は休みみたいなものなので、そこでやったり。趣味がなかったので、何もない時間にそれがちょうどポンっと入った感じです。忙しい方が好きな性格なんで、前より今は忙しくて自分的にはいいかなって思っています。

自分軸を大切に、自分らしく生きて、自由に飛び立つ

Ryucrewさんが会社のCA仲間と撮影した1枚。

――Ryucrewさんは、ふんわりと生きているように見えて、CAになりたいと実現するところや永住権を取ってカナダに移住するところなど、きちんと自分の立てた目標は達成されている感じがします。
今回の本のタイトルは『国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方』ですが、ご自身の中で、「自由に飛び立てた」要素はなんだと思いますか?

私、結構、大雑把なんですよ。基本的には三日坊主で飽きやすいし、人がやってるとか周りが流行ってることとか昔からあんまり興味なくて…。ちょっと変わっていたんです。

でも、みんながやっていなくても興味あることをやっていましたね。多分、一番は性格っていうか、わがままなんですよ(笑)。だから、やりたいことはごねてでも最後までやらせてもらうみたいな。大人になってまでごねても仕方ないんで、自分でどうにかしてやりたいものはやっています。

友達は仕事も文句言いながらもずっと続けていてすごく偉いなって。自分は絶対それができなくて、「合わへんなー、しんどいなー」と思ったら本当に気持ちが無くなっちゃうんですよ。その分、興味があることはやり遂げたいなと思っています。諦めが悪いんで(笑)。

そういうところはポジティブで、結果的にしつこくやって、今こうなっている。なので、自分ですごく努力したという気持ちは全くなくて、やらないと気が済まなかったというだけですね。

私の場合、やりたいって思ったら、そのデメリットをそこまで考えずにとりあえずやっちゃってます。みんなにこんなデメリットがあるよって言われるんですけど、その時は熱が上がって全然耳に入らなくて。でも、結局、そんだけやりたいことをやったんで、やってみたら反対されたことでも楽しかったり。やってみて、「実際はちゃうかったな」と思っても別にそれで後悔したことは今のところはないんです。

 

――海外で自由に飛び立ちたい、仕事をしてみたいという方にどういうスタンスでいるといいかなどアドバイスをいただけますか?
よく言われることだと思うんですけど、“自分軸”がないと本当に海外では潰されちゃって、本当にしんどくなっちゃうんで…。「自分は自分やし」っていうちょっと自分勝手ぐらいがいいと思います。

日本では自己主張が強すぎるとダメな感じじゃないですか。自分、自分っていうのは全然良くないこと。私もそうとは思うんですが、海外に住むときって変な意味で、日本人らしさがありすぎるとなんか自分がアホを見ることも多かったりしたんで。

日本の“謙虚さ”に理解はなくて、「この人、何か言いたいんやろか」とか「この人自信がなさそう」と捉えられるので、やっぱり“自分”が必要。

外国人は結構ダイレクトに言ってくるんですけど、「いやまあ、そう言われてもそれはあんたの考えやん」みたいな(笑)。本でも英語のアクセントについて書いているので読んでいただけたら嬉しいんですけど、「アクセントが変だからわからん」とか言われても、昔は心を痛めていましたが、今は「自分の言語やねんから自分が理解しや」って思います(笑)。日本人の自分が英語を喋ってあげてんのにっていうスタンスで、何を言われようが「何言っとんねん!」て返します。

日本で生まれ育ったんで、海外に馴染むのは、最初は大変でした。でも何事に対しても自分の考えを持つように心掛けることで、海外でも強く生きていける気がしています。

日本人より日本人らしいパートナーとの関係

――YouTubeでもお話に時々出てきますが、日本人より日本人らしいパートナーさんに出会ってホッとしたみたいなところはありますか?

そうですね。カナダ人にもいろんな人がいるんで、人種は関係ないんですけど、文化的なところでやっぱりカナダ人と日本人は違って、カナダ人は強いなと感じますね。カナダでは年齢問わず、こっちが話していてもスマホをいじっていて話を聞いてないような人が多くて(笑)。そんな中、パートナーは傾聴の姿勢がめちゃくちゃあって「こんな人おんねんや」と新鮮で。おとなしい感じで話しやすい。そして日本の文化をリスペクトしてくれているから、話も合って…。

性格は本当に真逆です。旅行に行ってもあっちの方がネイティブなんだからいろいろ聞いてくれたらいいのに、全部私がしないといけないんですよ。一歩後ろに下がってみたいな感じで(笑)。好奇心旺盛な私と逆で、危険意識も高かったり。真逆だからバランスが取れているのかもしれませんね。そんなパートナーとのことも少し本にで触れています。

無理はしなくていい。やりたいことができた時に次のステップへ

――人生100年時代、50歳でも折り返し地点で、まだまだ人生はこれから!という方も多いと思うのですが。 “自分らしい生き方”をさらにブラッシュアップしていく、もしくは“自分らしい生き方”ができてこなかったという方はどんなことをするといいと思いますか?
私の場合は好き嫌いがはっきりしていて、やりたいことがあるけど、ないパターンの人は、色々手を出す一歩が難しいんだろうなぁと思います。

私の母親は60歳で、ずっと保育士として働き尽くしてきたから、仕事以外に友達は少ないし、趣味を見つけてこなかった人やったので、それがすごく心配で。母親も皆さんと本当に同じことを思ってるんですけど…。ただ、母親はすごいのは、1つの職場で1つの仕事をずっと極めてるんです。きっと自分らしい生き方と言われても難しい…と感じている皆さんも自分どころじゃなかったほど忙しかったってことだと思うんです。

だから急に自分らしく、自由にしていいよって言われても、逆にそれが難しい。変に無理して、「なんかせなあかんわ」っていうプレッシャーを感じないでほしいって思いますね。

真面目な方達だと思うんですよね。だから、そうやって言われたら余計なんかしなあかんのかなみたいに思うかもしれないけど、結局は楽しくあるべきものじゃないですか。周りがやってるからとか、40代で子育て終わったからただ何かせなあかんというよりは、「これやってみたいな」ってふっと自然に上がってくるもんをやったらいいと思うんです。

「弁当もう作らんでいいわ」とか「ゆっくり起きてゴロゴロテレビが見られるわ」とかそれではそれで楽しいですし。今までできなかったことをっていう意味では、変にそんなにギラギラ輝く必要あるのかなとは思うんです。

自由な環境と母子関係の強さが育む自立心と責任感

Ryucrewさんの長年の夢であった、自分の国際線の乗務便にオカン(母)を乗せるのが叶ったフライトで。オカンが撮ってくれたという乗務中の写真。

――Ryucrewさんみたいな、自分のやりたいことを叶えていく子供を育てるにはどんなことがポイントになってくると思いますか?

母親は、基本何でもやらせてくれるスタンスだったんだろうなって思います。母親は朝から晩まで働いて本当に忙しかったから、完全放任主義でいたわけじゃなくて、手が回らなかったというのも正直あるかと思います。

思春期の頃は母と喧嘩して言ったらあかんことも言ったりとかありましたけど、結局母の頑張っている姿を見てきていましたし、母も私の性格をわかっているからほったらかしていてもそこまでアホなことはせんやろと、多分お互いが信じている部分があったんだと思います。

そんな母親がいいのか、時々Instagramに母親への人生相談とかもくるんですよ(笑)。でも母に聞くと、「別にこうやってやろうとかやったんじゃなくて、やらなあかんことをやっててこうなっただけで、なるようになる」と言ってましたね。アドバイスは何もないって言ってました。追われる毎日の中でできることをやってきた感じなんでしょうね。

だから、お母さんが一生懸命生きてるっていうか、自分のために尽くしてくれているっていうところが、背中を見るじゃないですけど伝わってるから今の私がある気がします。

カナダに留学したいって伝えた時も、「行ったらいいやん、そのためにお金を貯めてるんやし」って、ポンとお金払ってくれて…。決めるところは決めるところが似ているかな。そういうところもあって、この親のお金をもったいないことしてはあかんっていう感覚があって、自分も頑張らなくちゃっていつも思っていました。

セクシュアリティの部分とかもそうなんですけど、この母親と2人で本当に良かったと思っています。喧嘩もしますが、私も尊敬しているし、母も尊敬してくれる。そんな関係が良いのかもしれないですね。でも、カミングアウトした時はめちゃくちゃやっぱりショックだったみたいで、その日は自分の部屋に入って喋れなくなったんですよ。でも母親のすごいところは、その一晩だけで、翌朝は何もなかったみたいにケロッとしていました。
いずれ言わなあかんと思ってたし、私はいい友達に恵まれてて、「母親にも若いうちに言った方がいい」って後押ししてくれたんです。受け入れるのは大変やし、時間もかかるから元気な若いうちに絶対言った方がいいって。今ではパートナーとも仲良くしてくれて、お互い家族ぐるみで付き合っています。

近い未来、カナダと日本の文化や魅力を共有していきたい

――今すぐではないと思いますが、今後こんなことをしたい!などお考えのことはありますか?

そうですね やりたいことはポンポンポンポン浮かんでくるんですけど、妄想ばかりしていて…。

ひとつは絶対に日本に帰りたいというのはずっとあって、いろんな人が集まれる場所を作りたいなとか。カナダも日本も良いところも悪いところも客観的に見れるようになった気はしていて、それをシェアするじゃないですが、伝えていきたいなとも思っていて。

日本人ってメディアも海外が先に進んでいて優れているみたいな書き方をするじゃないですか、日本のいいところもすごくいっぱいあるのに。そういうのも含めて自分の経験もシェアしつつ、まずはカナダと日本の架け橋ができたらと思います。

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素顔も覗ける!Ryucrewさんの初の著書

どこに行っても自分らしく雲の上はいつも晴れ。逆風が強いほど高く飛べる”
カナダを拠点とする現役CA Ryucrewさんの体験記。長距離フライト、お客さま対応、謎の訓練、海外生活、時差ボケ、運命の出逢い、英会話、異文化交流など、今まで明かしてこなかったことを赤裸々に綴ったRyucrewさん初の著書!

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