医師に聞いた!もしかして更年期⁉ 膣ケアは自己肯定感も高めるって知ってた?【膣ケア連載vol.2】

|第2回|
医師に聞いた!もしかして更年期⁉ 膣ケアは自己肯定感も高めるって知ってた?

腟ケア連載第2回目は更年期と向き合ってみました。閉経に伴ってイライラしたり、体がほてったりなど症状が出ることはなんとなく知っているという方も多いはず。けれどその実態は!?

そこで、腟ケアに興味津々のライターしもくまが、今、必要で正しい知識を手に入れるべく、直撃取材! 腟ケアの識者である婦人科医 喜田直江先生にお伺いしました。

しもくま

主人公 しもくま りょーこ(42歳) *略して、しもこ
kokode Beautyライター。色白なので、「しろ」くまと間違えられるが、正しくは「しも」くま(笑)。耳に入った「し」「も」がチャームポイントの一家で育つ。しもくまだけに、なぜかたま~に振られる下ネタ取材に宿命を感じ、最近のフェムテック流行に運命を感じている。良好の良に、子供の子で良子!の名に恥じぬ健康体質だったが、アラフォーになって女性ホルモン揺らぎがち⁉️ 旦那ではなく、ときめきは韓国ドラマで補充。膣ケアでもう一度、女の輝きを取り戻したい!小1(女子)ママ。

本日の先生
喜田直江先生
なおえビューティークリニック 院長
喜田直江先生
平成13年京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。平成15年 形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。平成18年 大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。とくに婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。平成23年10月、東京銀座でなおえビューティークリニックを開院。

INDEX

最近イライラの沸点が低めかも これって更年期の症状ですか⁉

しもくま:直江先生お久しぶりです! 先生、聞いてください。最近、ちょっとしたことですぐにイライラしちゃって…ただ子どもの行動や言動にイライラしているのか、更年期のイライラなのかもうわからなくなっているんです。私、もう更年期に突入したのかしら?
喜田直江先生(以下、喜田先生)更年期は個人差があるけれど、45〜55歳くらいと言われています。閉経前後のホルモンバランスが崩れやすい時期を更年期と言いまして、その間に閉経する人が多いですね。
しもくま:私の女の寿命もあとわずかということですね…。
喜田先生:閉経した高齢の方でも輝いている方は多いので女の寿命ではありませんよ!
けれど、女性ホルモンのピークは20代で、30代40代から徐々に減り始め、40代後半は坂道を駆け下りるかのようにホルモンが急激に減少します。その時に日々の生活で困ることが少しずつ起こってくるかも…。
しもくま:ごめんなさい。確かに、言いすぎたわ。でも、あと少しで閉経の可能性が出てくるのね。

更年期の症状は個人でさまざま
体質やストレスが大きく影響します
喜田先生:そうですね。卵巣の機能が若ければ卵巣が元気なので、女性ホルモンをたくさん出せるけれど、閉経すると卵巣も老化して出なくなります。すると体が衰えやすくなるのは事実ですね。
しもくま:肌も一気に老化すると聞くから、先生!私、怖いです‼︎ どんな症状から更年期は始まるんですか?
喜田先生:更年期は自律神経の乱れなので、体の不調や気分の落ち込みなど本当にさまざまです。PMS(月経前症候群)で気分に出るからといって、更年期も気分に出るとは限りません。もともとの体質や日頃のストレスも影響しています。鬱っぽくなったからって更年期ではないこともありますし、この症状があるから更年期というのがないんです。更年期と鬱が混ざっている方もいらっしゃいますしね。
しもくま:そうなんですね。何かこれというものがあれば始まったとわかりやすいんだけど…。
喜田先生:一概に更年期というわけではありませんが、40代で生理周期が乱れてきたら婦人科の先生に診てもらうといいですね。
卵巣に女性ホルモンを出しなさいという指示を出す性腺刺激ホルモンの量を血液検査で調べると更年期かわかるんですよ。
しもくま:なるほど。気になったらやはり婦人科ね! 先生、でも他の症状も知っておきたいわ。
喜田先生:症状はさまざまですが、不眠や倦怠感、疲労感を感じる方もいらっしゃいます。あとは、閉経の年齢は卵巣の老化次第ですが、遺伝の影響もありますので、お母さまの更年期、閉経の年齢を確認しておくと良いかも。ただし、症状は親に似る傾向はありませんので、どんな症状になるかはその時にならないとわかりません。
しもくま:想像すると憂鬱です〜(泣)。

 

 

実は更年期が軽い人、ない人も 怯えるより“治療できる”認識が重要

喜田先生:更年期は軽い人も重い人もいますし、中には全く症状がないという人も意外といるんですよ。それに、しもくまさん、怯えないでください。「更年期は治療ができる」ので大丈夫ですよ!
しもくま:えっ!治療!?
喜田先生:はい。ホルモン療法(乳がんの人はできない)、漢方、サプリメントと治療法もいろいろ。ホルモンを飲むのが、一番てきめんに効きますね。副作用はほとんどないですよ。ただ、女性ホルモン由来のガン、例えば乳がんなどの検診は定期的にしておいた方がいいですね。
しもくま:そんなに治療法があるんですね。
喜田先生:その方にあう治療法を選択するので、症状が重い方は特に我慢しないでほしいですね。ホルモン治療は、保険治療として適用されていますしね!
ホルモン補充療法をするととても楽になりますよ。更年期だから仕方ないと思わず、婦人科を頼ってください。
しもくま:わかりました。でもやっぱり注射とかよね…。
喜田先生:いえいえ、内服が多いですよ。内服以外にも貼るパッチやジェルも使われています。
しもくま:えぇ〜知らなかった! それは楽ですね。女性ホルモンということは内服はピル?
喜田先生:ピルは女性ホルモンとしては一緒ですが、更年期の薬ではありません。ピルよりもホルモン補充療法の方がホルモン量が少ないんです。
しもくま:なんだか、少し安心したわ♡

更年期を感じても温め不要!
食生活とストレス解消を心がけて
しもくま:先生、更年期を少しでも楽なものにするためにできることを教えてくださるかしら?
喜田先生:ストレスをためない、自分が居心地よく過ごすことが大事ですね。あ! 更年期対策で温めても意味ないですよ。
しもくま:腹巻きを準備しようとちょうど思っていたわ(汗)。
喜田先生:温めても卵巣の機能はもう上がらないので、更年期の対処としては意味ないんです。薬で外から女性ホルモンを足してあげることが必要なんです。女性ホルモンは外からもらうと考えるといいですね。
しもくま:お伺いしといて良かったです。そうしたら、普段は何をしたらいいんですか?
喜田先生:食生活ですね。女性ホルモンに似た働きをする大豆食品はいいですね。納豆やお豆腐とかを食べると更年期症状を緩和できます。
ただ、大豆の作用を期待できるのは全員ではなく、半数くらいなんです。大豆は体内でエクオールという物質に変換して、体内で女性ホルモンと似た働きをしてくれるのですが、約半数の方はその変換ができないんです。自分がその半数に当たるかは尿検査をするとわかります。
しもくま:その尿検査も重要ですね!
喜田先生:そうですね。もし変換できないタイプなら大豆食品を摂っても意味ないので、内服薬から女性ホルモンをもらってくださいね。

 

 

更年期は膣も乾燥する傾向が かゆみ、性交痛が症状として現れます

しもくま:先生、こないだ私の姉がね、「腟が下着に擦れてヒリヒリする」って言うの。これも更年期なんですか!?
喜田先生:その可能性はありますね。更年期に近づくと膣も乾燥してくるので、違和感や痛みを感じる方もいらっしゃいますよ。
しもくま:あ、前回、デリケートゾーンの老化防止は40代からのケアが必須と教えていただきましたね! 乾燥するようになったら膣ケアをすること、とも。
喜田先生:そうです。乾燥すると、感染が起きやすいんです。老人性膣炎(膣の中の炎症)など、雑菌が湧いてかゆみ、ニオイ、おりものに異変が発生することがあります。性交に痛みを感じるようにもなりますね。だからそれを予防するためにも膣ケアは大事です。

しもくま:具体的にはどんな膣ケアをすればいいのかしら?
喜田先生:膣のマッサージ専用のオイルを塗りながらマッサージがおすすめ。膣の中に指を入れて、その血行をよくするマッサージもいいですね。膣内を刺激をしてあげるのが目的です。毎日1回、1〜2分行ってください。
しもくま:自分で触ると思うとドキドキね。
喜田先生:自分の指に抵抗があるなら、膣ケアアイテムやセルフプレジャーアイテムでもいいですよ。乾燥がひどい方は乳酸のジェルを入れてもいいですね。
しもくま:姉にすぐ伝えますわ!
喜田先生:早く快適になられるといいですね。外側の膣ケアももちろん重要ですが、中もしておかないと腟が萎縮しちゃうんです。50代、60代になって新しいパートナーが変わって、いざ関係を持ったら、萎縮で性交痛があって困る方も多いので、皆さんもケアを積極的に行っていただけたらと思います。

 

 

いつまでも自信のある私は作れる! 自己肯定感にもつながる膣ケア

喜田先生:閉経するとコラーゲンをつくる作用のある女性ホルモンが出なくなるから、お肌は一気に老化します。内臓、血管系動脈硬化、心臓の病気などもぐんと増えます
しもくま:えっ!? 病気の可能性も増えるの!?
喜田先生:そうなんです。だから検診などを定期的に受けることや食生活を見直すことは大事ですね。
しもくま:は、はい…。わかりました。
喜田先生:患者さんを見ていると、膣ケアをすることが自信にもつながっているようですよ。見えないけれど、いい下着を身につけることで気持ちがシャンとするのと同じ感覚ですね。自信が外ににじみ出て、自己肯定感も高まるようですよ。
70代でも介護のためにデリケートゾーンの脱毛やケアをなさっている方もいます。患者さんの中でも意識の高い方ですが、キレイでい続けたいと意識なさっているのを感じます。マッサージやレーザー、ヒアルロン酸の注射、女性ホルモンの塗布など、いろいろできることを皆さん試されていますよ。
しもくま:そんなお姉様方に憧れます! 私も見えない場所の美と健康を追求するわん♡
先生、今日もありがとうございました!

イラスト/栗林拓司

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