今、注目の「幹細胞」って何がすごいの?

美容業界や再生医療の現場で注目を浴びている「幹細胞」。最近では幹細胞を使ったコスメなども増えてきています。幹細胞ってなんだかお肌によさそう!と思ってはいても、そもそも幹細胞とは何のことで、何に効果があるかきちんと知っている人は少ないはず。そこで、なぜ幹細胞が美容に良いとされるのか、基礎から分かりやすく教えてもらいました。



教えてもらったのは…
株式会社 チェントトレンタ 代表取締役
大橋 功さん
オーガニックサイエンティスト
AEAJ認定アロマテラピーアドバイザー
AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
JAMHA認定メディカルハーバルセラピスト
大手下着メーカー、キャラクタービジネスなどを経て美容業界へ。美容に関わって31年。マテリアプリマはその知識を駆使し、必要な物を、必要な時に、必要な量と届けられるようにとの思いで作ったブランド。趣味はカーレースで、国内A級ライセンスを所持。

Q1.そもそも「幹細胞」ってどんな細胞?
幹細胞とは、細胞分裂で自分を増やす能力(自己複製能)だけでなく、異なる働きをもつ細胞へと分化する能力(分化能)を持つ特殊な細胞のことを指します。生物は細胞の集合体によって構成されていて、細胞は絶えず古いものから新しいものへと入れ替わっています。幹細胞は、この細胞の生まれ変わりを助ける重要な役割を担っているとされています。が、残念ながら人間の場合、細胞の生まれ変わるペースは20歳でピークを迎え、そこからペースが徐々に遅くなって幹細胞も減少します。

Q2.エイジングケアの分野で、なぜ幹細胞が注目されるの?
エイジングケアで幹細胞が注目される理由は、幹細胞の持つ再生能力にあります。幹細胞を補充してあげることで、加齢によって失われる肌のツヤ、たるみや毛穴の開きなどの原因となる衰えてしまった機能を修復することが期待されています。

Q3.肌の幹細胞はどんな役割を果たしているの?
肌には、肌の奥の真皮に存在する真皮幹細胞と、肌の表面にある表皮に存在する表皮幹細胞の2種類があります。
それぞれの幹細胞は違った働きをしていて、
真皮幹細胞:線維芽細胞を生み出しています。線維芽細胞はコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作り、肌にハリをもたらす肌の司令塔です。
表皮幹細胞:表皮角化細胞を生み出します。表皮角化細胞は肌のターンオーバーに重要な役割を果たしていて、肌表面を健やかな状態に保ちます。
肌の幹細胞も加齢によって減少してしまうため、補ってあげることが重要です。

Q4.コスメに使われる幹細胞にはどんな種類があるの?
幹細胞には、ヒト幹細胞、動物幹細胞、植物幹細胞の3種類があって、それぞれヒト、動物、植物に由来する幹細胞です。
○ヒト幹細胞:
アレルギーの心配があまりなく、最も効果と安全性が高いとされています。豊富に含まれる成長因子(GF)が細胞の活性化を促進して、肌内部のヒアルロン酸やコラーゲンなどの生成をサポートする作用があります。ただし、とても高価なのがデメリットです。
○動物幹細胞:
コスメに使われることが多い幹細胞です。ヒトの幹細胞に最も近いといわれる羊由来のものがほとんどです。その代表的なものがプラセンタで、ハリをもたらす成分です。しかしアレルギーの問題などもあって、日本では動物幹細胞を使ったコスメは主流ではありません。
○植物幹細胞:
高い抗酸化作用と保湿効果が特徴です。アレルギー作用も少なく、肌を保護したり肌の状態を改善する作用に優れています。コスメに使われる「植物幹細胞エキス」は、植物の幹細胞を培養して抽出したエキスのことで、様々な種類があります。使われているのはどれも過酷な環境下で生命を繋いできた生命力の強い植物で、保水力が非常に高く乾燥が気になる肌にもしっかりと潤いを届けて、ハリや弾力も与えてくれます。

幹細胞とうまく付き合うことによって、肌が生まれ変わったかのように生き生きしてきます。ご自分に合った幹細胞を見つけてみてください。

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