バレエダンサー山田 蘭さんの美しさの秘密

バレエダンサー 山田蘭さんの美しい姿勢と透き通るようなきめ細かい肌は、日々の厳しいレッスンと、それを乗り切るためのコンディショニングとケアの賜物。インタビューで見えてきたのは、心から愛するバレエを踊るためにひたむきな努力する姿。それこそが山田さんの美しさの秘密でした。

 

INTERVIEW

―バレエを始めたきっかけは?
2歳上の姉がバレエをやっていまして、私も追いかけて始めたのが6歳でした。小野正子バレエスタジオという教室で、谷桃子バレエ団のプリンシパルだった髙部尚子さんや宮内真理子さんが出身のスタジオです。とても優しい先生で怒られたことがなかったぐらい。バレエの教室では珍しいですね(笑)。

―プロのバレエダンサーを目指したのはいつ?
バレエ漬けの毎日を送りたいと、新国立劇場バレエ研修所に入所したのが高校3年生、17歳の時。でも明確にプロになろうと思ったのは、むしろ入所してからですね。新国立劇場バレエ団で研修させていただいてから「バレエダンサーになりたい!」と思うようになりました。2年研修をして、その後、新国立劇場バレエ団でアパレンティスとして1年間の活動を経て、K-BALLET COMPANY(Kバレエ カンパニー)に入団しました。

―熊川哲也さん率いるK-BALLET COMPANYに所属するきっかけは?
K-BALLETの作品が大好きで、幼い頃から観に通っていました。子どもにもわかりやすい物語ですし、とても楽しくて……。そして、やはり熊川哲也さんの存在ですよね。「すごい空中で止まってる!すごい回ってる!」って。一度観るとやみつきになってしまうんです。
ちょうど新国立劇場バレエ団を退団して、「次をどうしよう」と考えたときには、もうK-BALLETの一択でした。「あの舞台にいつか私も」という思いもあり、受けようと決心。ただテクニックがある方が多いカンパニーなので、実は受かると思っていませんでした。けれど、オーディションを受けたところ、ありがたいことにアパレンティスとして入団が叶ったんです。

―実際に入ってみて感じたことは?
最初は大変でした。K-BALLETは曲のテンポも速く、テクニックもものすごく詰まっているので、ついていくだけで必死でした。作品をどう踊って、どう踊りこんでいくか。あとは憧れの熊川さんと一緒にレッスンを受けるということに緊張しましたね。

ずばり!熊川さんはどんな方?
感性にあふれている方。あとは、先を見る力があり、いろんな視点から物事を見られる方です。これからのバレエはこういう風であってほしいだとか、K-BALLETのメンバーにはいろんなことにチャレンジしてほしいとか、常に考えていらっしゃいます。

―バレエダンサーになられて、壁にぶつかったことは?そのときどう乗り越えた?
日々壁だらけなんですが……。毎日レッスンをしていると、作品を通してもそうですし、役を通しても自分に足りない部分というのがはっきりと浮き彫りになるんです。もうちょっとこの足がしなればいいのにとか、もっと回転が強くなればいいのにとか。とにかく課題をひとつひとつしらみつぶしに、足りない部分をなくす作業をやっていきます。
例えば、筋肉が足りないんだなと思ったときは、fix TONEの体幹トレーニングを追加するなど、出来ることを毎日やって、小さな壁から超えていくようにしていますね。

―難度の高いバレエの動きはケガと隣り合わせ。日々の体のケアは?
なるべくケガをしない体づくり、ケガをしても早く回復するためのケアは大切ですね。疲れたときは冷水と温かいお風呂を繰り返す交代浴で血液の循環を良くするなど、自分でできるケアを必ず行うようにしています。
レッスンで硬くなった全身の筋肉をストレッチポールで30分くらい緩めてから、お風呂に入って交代浴をして、入浴後はオイルでリンパマッサージをするというのを毎日行っていますね。

―舞台中の体調管理はどんなことを心がけている?
マスク・手洗い・うがいなど、基本的なこと。あとは、体を冷やさないようにしています。レッグウォーマーやカイロは夏でも使いますし、寝る前に温かいお茶を飲むことも。ちなみカイロは痛めているところにも使います。例えば、ちょっとした捻挫の場合は動く前にカイロで温めておきます。動く前に冷やすと筋肉が固まってしまいますし、冷えた状態で動くと、プチって切れることもあるんですよ。そして舞台が終わったら冷やす。温冷をうまく使い分けるようにしています。

―熊川さんがプロデュースしたトレーニング&コンディショニングスタジオ「TEDDY’S BALANCE」でヘッドインストラクターを務めていらっしゃるとのこと。どんなスタジオ?
「バレエダンサーが鍛える体幹トレーニングは、一般の方の日常生活にもすごく必要なトレーニング」という熊川哲也ディレクターの想いがあって、そこからスタートしました。体幹を鍛えるだけで、ケガをしにくくなる、日頃の生活がより快適になるんです。熊川さんご自身もケガをされて、復帰をする過程で出会った体幹トレーニングを広めたいということで始まっています。


―山田さんが担当されているプログラムは?
fixTONEとジャイロキネシス®️を教えています。fixTONEは体幹を鍛えてしなやかで強い体をつくります。ジャイロキネシス®️は簡単に言うとヨガとピラティスの間。セルフカイロプラクティスと言われるように、自分で体を整えていく動きですね。体に歪みを感じている方もジャイロキネシス®️はおすすめです。私の担当ではありませんが、上の写真のような面白いギアを使うプログラムもあって、どれもご満足いただける内容になっているかと思います。

―fix TONEは、どんな人におすすめ?
TEDDY’S BALANCEでは、バレエダンサーがやっている体幹トレーニングを一般の方にもやりやすいように負荷を少なくしたものとダンサー同様のハードなものの2種類コースがあります。体が柔らかくてケガをしやすい方や姿勢よくしたい方、バレエをやっていらして、さらに質を上げていきたいという方にもぜひ来ていただきたいですね。

―山田さんがジャイロキネシス®︎を始めたきっかけは?
出合ったのは5、6年前。ジャイロキネシス®️の体幹トレーニングに実際、効果を感じて資格を取りました。それからというもの、実は入団してから大きなケガに1回もあうことがないんです。ケガをしにくい体になったのは、fixTONEやジャイロキネシス®︎をやっていたおかげかなと思っています。

 

ジャイロキネシス

バレエダンサーのヨガとも言われ、ピラティスや太極拳から構想を得て作られたエクササイズ。

ー山田さんの透き通るような雪肌!どんなお手入れをしている?
日に当たらないというのが、まず大きいですね。移動の時は日焼け対策で帽子をかぶっています。帽子が好きなので、つばのある帽子はよくかぶっています。つばが広いタイプや普通のキャップも。あとは冬でも日やけ止めを塗っていますね。

ースキンケアは何を使っているの?
知人に紹介していただいて以来、「モイスティーヌ」をずっと愛用。ノーファンデーションを目指すブランドで、そのコンセプト通り、普段、私はほとんどファンデーションをしていません。日焼け止めを塗って終わり。それが叶うようになったのもこのモイスティーヌのおかげだと思っています。

ー美肌を保つ秘訣は?
モイスティーヌを使い始めたときに洗顔方法を変えました。泡で洗う。こすらない、絶対こすらないと教えていただいて。大量に泡を作って、もうひたすら肌に指が触れないようにやさしく泡で洗うんです。そういえば、最近、皮膚科に久しぶりに行ったら、「肌がきれいになりましたね」と褒めてもらえました!洗顔と保湿、ベーシックなケアを変えたら、2年ぐらいで結構肌の調子はちょっとずつよくなっています。

ーリラックス&リフレッシュはどうしてる?
リラックスは愛犬と遊ぶこと。おばあちゃんのダックスフントと若いトイプードルを朝散歩に連れて行きます。朝は起こしに来てくれるんです♡

あとは、姉が宝塚(宙組 美月悠さん)に所属しているので、姉の舞台を観ると、リラックスというよりはどちらかというとエネルギーをもらいます。「姉もがんばっているから、私もがんばろう!」って。頑張ることも大切だけれど、たまには息抜きも大切ですよね!

ー「美しい姿勢には正しいトレーニングが必要」と山田さん。今後の目標は?
もちろんバレエでは上を目指して、怪我をすることなく楽しくバレエを続けていきたいですね。
ヘッドインストラクターとしては…。筋トレやストレッチなどのケアをひとりでやると、「よくわからない」とか、「これで合っているのかな?」と悩むことも多いと思うんです。けれど、TEDDY’S BALANCEは少人数レッスンなので、一人ひとりの体にちゃんと手を当てて、正しい姿勢に導いていきます。やはり続けて通ってくださると、そのお客様の身体の状態をこちらも把握することができるので、自分のクラスだけではなくて、例えば「このクラスを受けてると、〇〇さんの体の悩みにはいいと思いますよ」という風にスタジオ全体でお客様一人ひとりの悩みをサポートできる、そんなスタジオにしていきたいです。

*****


index1
K-BALLET COMPANY ソリスト 山田 蘭さんが伝授
\バレエダンサー発/凛とした女性に見せる“美しい姿勢”の作り方
> index1を見る

Photo : Sachi kataoka /  Text : Kyoko Ohono

この記事が気に入ったら