連載 Vol.3 「女神の微笑み」はコミュニケーション上手な証
美容家でありながら、サロンの経営に接客までこなす石井美保さん。
第3回目は、相手との距離をグッと縮められるコミュニケーションについて。
様々な立場や世代の人と交わる機会が多い石井さんが実践している心がけは、
素敵なコミュニケーションを生むヒントがたくさんありました。
顔の筋トレ「にっこり固め」が
幸せ顔の秘訣
実をいうと、思いきり笑うことに少し苦手意識がある私。けれど、笑顔は大切。目が合ったとき「ニコッ」と微笑んでもらえると、それだけで幸せな気持ちになりますよね。さらに、笑顔でいると幸せオーラまで纏えるから、コミュニケーションを取るうえで“笑顔”は大事にしています。
美容という面においても、笑顔が素敵な方は笑いジワはあっても、顔のたるみが少ない印象。それは表情が豊かで、顔の筋肉をよく使っているから。筋肉からにっこり笑えているのです。
突然ですが、私たちは顔の筋肉をどれくらい使っていると思いますか?
日本人は20〜30%の表情筋しか使っていないとも言われており、日本語がそこまで表情筋を使わなくても発声できる言語であることが原因だそう。だから意識的に表情筋を鍛えなくてはいけないのです。鍛えていないと、自分では笑っているつもりでも口角が上がらず、不機嫌そうな顔に……。そうなる前に、私のおすすめの顔の筋トレ「にっこり固め」をしてみてください。
始めは鏡を見ながら、慣れてきたら日常生活のなかでも気がついたときに実践してください。どんどん笑顔が素敵になっていきますよ。ちょっとしたスキマ時間でやるのがポイントですが、彼や旦那様がいる前では少し驚かせてしまうかもしれないので、くれぐれも気を付けてくださいね(笑)。
差がつく! 相手との距離の縮め方
相手の目を見て話すことは基本中の基本。けれど、話しているうちに正確に伝えようと真剣になり、表情が強張ってしまうことも。
そこで、特にサロンでお客様と接するときには、“微笑み”がキーワード。頭の中で微笑んでいる女神様をイメージしながら、表情が硬くならないように心がけています。
また出会って早々、相手の持ち物の話題は極力振らないように気を付けています。素敵だなと思うと、つい声をかけたくなるものですが、持ち物をチェックされているような不快な気持ちにしてしまう可能性もあると思うのです。他にも、いつもより元気がなさそうだったり、お疲れだったりする雰囲気を感じたら積極的に会話は広げず、リラックスしてもらうことを最優先します。そういった気遣いが心を開いてもらう秘訣ではないでしょうか。
サロンのお客様には、美容が好きな方も多くいらっしゃいます。そこで、「新しい髪色お似合いですね」とか、「アイシャドウ綺麗な色ですね」などと声をかけると会話の糸口になることがあります。
また、持ち物そのものではなく、その人らしさが表れる服やバッグなどの「色」や「香り」を会話のきっかけにすることも。色や香りの話題であれば気を悪くさせてしまう心配もありませんよね。
自分が良いと思って選んだものを共有できると、やはり人は嬉しいと感じるものだと思いますよ。
撮影/前田 晃(MAETTICO) ヘア/大野朋香(air) デザイン/瀬尾侑平