日本ではまだまだデリケートゾーンケアって必要？と疑問の方も多いかも知れません。けれど、フランスで性科学を学んだ森田さんは「膣は美容にも健康にも直結する重要な部位で、私にとっては顔より膣のほうが大事！」と仰るほど。お風呂上がりは顔よりも先にデリケートゾーンを一番にケアするくらい大切だと主張なさいます。
前回はデリケートゾーンのニオイケアについて伺いましたが、今回はデリケートゾーンケアを続けることの大切さを教わりました。ご両親などの介護にも大きく関わるお話。ぜひ最後までご覧ください。

お話を伺ったのは…

植物療法士・アンティームオーガニック創設者
森田敦子さん
フィトテラピーが日本に根付く20年以上も前に、パリ13大学医薬学部で植物療法を学び、日本での普及に尽力する第一人者。帰国後は植物バイオ研究に関わり、数々の賞を授与。また、AMPPフランス植物療法普及医学協会認定校「ルボア フィトテラピースクール」の運営に着手するなど、植物療法の普及に努める傍ら、人生100年時代を見据え、産前産後や介護の現場を通じて女性の健康をトータルにサポートする可能性を探求。近著に『気持ちいいがきほん』(光文社)

老後のためにも重要！デリケートゾーンに向き合うべき理由

Q.老後のためにも今からデリケートゾーンに向き合うことが大切とはどういうことですか？

「日本では3人に1人が高齢でおむつを利用していることをご存知ですか？ 尿漏れや子宮脱(骨盤内の子宮を支える筋肉がゆるみ、子宮が腟から出してしまう病気)の方が日本はとても多いので、そのこともあり病院や施設で「おむつを履きましょう」と促されるようです。『おむつの中でうんちもおしっこもしていいよ』と言われるけど、そんな状態、人間の尊厳を欠きますよね。特に女性は自尊心が保てなくなります。

それに、うんちは酵素なので、おむつの中で放っておくと肌がかぶれ、褥瘡(床ずれ)につながっていき、歩行も困難に。一気に寝たきりになってしまいます。もちろん膣まわりのケアも人に任せるしかなくなってしまうのです。

私は広島の高齢者医療介護施設で、13年間毎月、施設スタッフにデリケートゾーンまわりのケア方法を講義してきました。結果、この施設では、ご高齢の方も自力でトイレに行き、ご自分でケアしていらっしゃいます。お手洗いに行ける人は健康的で、より長生きできる。そう思います。今では東京大学からもお声がかかり、一緒に共同研究を行い、さらに台湾の厚生省からも講義要請を受けるようになったんですよ！

今、皆さんにお伝えしたいのは、おむつに頼らなくてもいい環境を作ること。つまりデリケートゾーンケアを通して、膣が締められるか、ゆるゆるじゃないか、ムレないか、尿もれがないかなどと若い頃から膣と向き合っていただきたいということ。フランスはデリケートゾーンケアが一般的で、いくつでも膣まわりがプリプリ！ 尊厳に関わる排泄機能もしっかり保たれています。日本でもデリケートゾーンケアが将来のQOLにつながることを知っていただけたらとうれしいですね」

80歳だって恋愛できるほどの潤うカラダになるためのケア

Q.フランスでは、ハッピーな老後を迎えるために、他にどんなことをなさっていますか？

「実は性欲も大事なんですよ。食欲、睡眠欲、性欲は3大欲と言われますよね。日本ではタブー視されてきた性欲ですが、フランスでは大切なものとされています。セックスは心にも体にも幸せをもたらしてくれるもので、いくつになっても楽しむものという意識。歳を重ねても女性として戻れるようにフランスではセクシャリティを大事にしているんです。『セックスがないなら別れた方がいい！』という方が多いほどに(笑)。

フランスでは“性科学”という分野があり、それを“セクソロジー”と言うのですが、私はその性科学で粘液の重要性を学びました。粘液でしっかり潤わなくては、体の細胞も再生しないし、粘液がないと異物を体外へ排出してくれない。粘液は、そんなとても重要な役割を担っていて、免疫力も大きく関わっています。

粘液は膣がゆるむことで出る仕組みになっていますので、弾力がないと粘液が出ないのです。だから食欲、睡眠欲に加えて性欲も大切ですし、膣を乾燥させないためのケアも大切。お歳を召しても潤うカラダで居続け、80歳になっても恋愛できるカラダでいられるって素敵じゃないですか？ みなさんもぜひ自分のカラダと向き合い、愛しんでみてください」

デリケートゾーンケアの基本の2STEPは初心者さんにも◎

大人世代の膣まわりのゆらぎにもバーシングオイルの特別セット