連載 Vol.28 [通販も] 小物で着回す【シーン別】浴衣コーディネート
前回、浴衣は選ぶ素材に気を付ければ、
帯や小物の合わせ次第でふり幅の広い着こなしができると学びました。
そこで今回は、特に大人の浴衣として着回しやすい素材綿紅梅の1枚を、
シーンや会う相手に合わせて楽しんでみます。
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着回し力の高い浴衣が大人の味方
石井さん:前回はシーンに合わせて、絞りの浴衣、綿絽、絹紅梅の素材の浴衣を着させてもらいましたが、上質な素材の着心地良さに驚きました。それぞれに良さがあり、素材を知ると浴衣の楽しみが広がりますね。
秋月洋子さん(以下、秋月さん):そうですね。選ぶ素材によって着こなしも変わるというお話をしました。着物に比べて浴衣は着るシーズンが限られているので、まず揃えるなら、1枚でも、夏着物風にも着られる「綿絽」や「綿紅梅」などの浴衣をオススメしたいですね。
石井さん:それらの素材は帯や小物でカジュアルにも、夏着物風のキレイめにも着られるということでしたが、帯はどういうものを選べばいいでしょうか?
秋月さん:帯には、兵児帯、半巾帯、名古屋帯の3種類があります。1番カジュアルな兵児(へこ)帯は、もともとは子どもが巻くものでしたが、最近では大人も取り入れられるような素材のものが増えています。同じくカジュアルではありますが、ベーシックに使いやすい半巾(はんはば)帯、夏着物風に着るなら名古屋帯という選び方になりますね。
石井さん:浴衣と同様、素材にも種類がありますか?
秋月さん:はい、大人の浴衣にオススメしているのは、麻素材や綿、絹素材のものです。浴衣と同様に、大人ならば上質な素材のものを取り入れたいですね。涼しさという点でも、これらの素材はポリエステル製のものより通気性が良く、着崩れもしにくいですよ。
石井さん:やはり浴衣には涼感が大切ですね。
秋月さん:そうなんです。帯の選び方さえ知れば、1枚の浴衣もイメージを変えて着回せます。みなさんにも、ぜひ挑戦していただきたいですね。
石井さん:学んだことを活かして、さらりと浴衣を着こなせるようになりたいです。よろしくお願いいたします!
【活用1】兵児(へこ)帯
もともとは男性や子どもが締めていた布状の帯。最近では、巻くだけでボリュームが出て、ほどよい抜け感も出せると大人の女性にも人気です。選ぶときはハリのある素材、質感の良い素材など素材を吟味して。
麻兵児帯 ¥28,000反物価格(竺仙)
【活用2】半巾(はんはば)帯
幅約15㎝、長さ4m前後の帯で女性の浴衣帯としては、オーソドックスなタイプ。カジュアルな着こなしに似合いますが、きちんと感を出したいときは帯留めをプラスするのもオススメです。
博多単半巾帯 ¥22,000 (renka)
【活用3】名古屋帯
着物に締める帯の中ではカジュアルなものですが、浴衣を夏着物風に着るときには名古屋帯を締めます。浴衣には麻や博多織などの夏素材の軽いものが◎。博多織の中でも、紗献上柄など透け感のある素材は締め心地も良く、見た目にも涼やかで、夏のおしゃれ着によく似合います。
博多紗間道名古屋帯(仕立て付き)¥39,000 (きものやまと)
行く先、会う人によって求められる姿は変わるものですよね。
浴衣は素材選びに気を付ければ、
1枚の浴衣でもカジュアルからキレイめまで着回すことができます。
今回は帯や小物を変えて「綿紅梅」の浴衣を楽しんでみました。
綿絽ほど透け感がなく、着心地の良さも抜群な綿紅梅の浴衣。美しい色合いと伝統的な柄は、流行に左右されません。年齢に関係なく、いつまでも着ることができます。
綿紅梅浴衣 ¥66,000 反物価格 (竺仙)
帯のボリューム感が新鮮!
クラシックな浴衣にこそ映える
キレイ色
白地に紺の草加文様の着物は、単純な白場が少なくメリハリのある柄で大人に似合います。そこに、ペパーミントグリーンの兵児帯をふんわりとボリューム感を活かして結んで、若々しい印象に。日傘も白×ウッドで爽やか。クラシックな浴衣にシャーベットカラーの兵児帯を効かせた色合わせも楽しめるコーディネートです。
上質な素材と、全方位美しい
シルエットで上品さをプラス
ナチュラルなカラーの名古屋帯を巻いて、落ち着いた印象のコーディネート。チラリと覗かせた帯揚げのパープルで、柔らかさと華やかさを。色使いは3色までと決めると上手にまとまります。帯は丹後の絹を使ったもの。石井さん手作りのナンタケットバスケットも合わせました。上質な素材やシルエットの良さを追求して、スッキリと品のある着こなしに。
端正なシルエットと華やかさもあるスタイリングでお気に入り。秋月先生がデザインしたシルクニットの帯も素敵でした。同じ浴衣と思えないほど、印象が変わり驚きました!
ザ・和小物だけではなく、普段の洋服感覚で選んだ小物なら、
いつもの洋服にはもちろん、浴衣にも投入でき、
より素敵に浴衣を自分らしく着こなすことができます。
“ナンタケットバスケット”と
“日傘”が私らしさのエッセンスに
趣味で長年かけて作ったナンタケットバスケットは、フォーマルな席にも持てるかごバッグ。きちんと感を大切にしたい夏着物風の浴衣姿にコーディネートしました。日傘は、普段から愛用しているようなデザインのものを浴衣に合わせてみました。洋服感覚で小物を合わせることで、自分らしく、こなれた浴衣の着こなしに仕上がりますね。
前回、石井さんが着用した「絞り」と「綿絽」の浴衣を
夏着物風に着回したコーディネートをご紹介します。
半衿をつけて足袋を履くと、夏着物風の着こなしに。
帯を絹の光沢感が魅力の
紗博多名古屋帯にチェンジ
「華皿」と「独鈷」柄を組み合わせた定番の献上柄の紺色の帯を締め色にして、
全体をブルーのグラデーション配色でまとめ個性的で粋な雰囲気に。
白い麻素材の名古屋帯にして
シンプルに質の良さが際立つコーディネートに
帯がシンプルなことで、着物の柄のピンクが効いて好バランス。
帯留めの小さい紫をポイントにすることで華やかさもアップします。
撮影/寿 友紀<人物>、石澤義人<静物> ヘア/SATOMI(cheka.)
スタイリスト/秋月洋子 撮影協力/高橋奈央 デザイン/瀬尾侑平
<問い合わせ先>
aacca 青山店☎03-5766-3868 衿秀☎ 075-221-8706 きものやまと0120-18-8880
ギャップインターナショナル☎03-3499-0077 銀座ぜん屋本店 ☎03-3571-3468 竺仙☎03-5202-0991
辻屋本店 ☎03-3844-1321つゆくさ☎052-331-2170ハンウェイ六本木ヒルズ店 ☎03-5786-9600
peach ☎03-5411-2288 ヘレンカミンスキー表参道ヒルズ店 ☎03-3470-2551 renka https://renkakimono.shop-pro.jp/
特にスタッフからも好評だったこのコーディネート。クラシックな浴衣だからこそ、色やシルエットで遊んだときに素敵に見えるんだと実感しました。