連載 Vol.32 美的センスもアップするテーブルコーデ上手を目指したい

連載 Vol.32 美的センスもアップするテーブルコーデ上手を目指したい

和食器だけでなく洋食器も好きだという石井さん。
フレンチレストランなどで和食器が取り入れられているのを見て、
洋と和の上手な組み合わせ方があるのだと興味が高まったそう。
そこで、集めてきたお皿を上手に使いこなせる
コーディネート術について教えてもらうことにしました。

美味しい時間をより豊かにする
テーブルコーディネート術

連載 Vol.32 美的センスもアップするテーブルコーデ上手を目指したい

石井さん:前回もお話しましたが、同じ種類を揃えるよりも、いろいろな種類をバラバラに集めるのがとても楽しくて……。特に、豆皿はいろんな色や形が気になって、自然と集めてしまいますね!

うつわ千鳥スタッフ(以下、千鳥スタッフ):豆皿には集める楽しさもありますよね。食卓でも、ちょっと薬味をのせて使うだけで素敵ですし、コーディネートのアクセントになってくれる器です。

石井さん:そうですよね。私はお盆の上に豆皿だけを使ったコーディネートをやってみたくて。素敵に見せる並べ方を知りたいです。

千鳥スタッフ:丸い形の豆皿以外にも楕円や四角など形にバリエーションがあると、並べたときにサマになりますよ。つい丸の豆皿ばかり集めてしまう方が多いようですが、石井さんはいかがですか?

石井さん:なるほど。確かに、ついつい集めるものが似通ってしまうってありますね。私の場合は、コーディネートの差し色になると思い、緑などメイン皿には選ばない色の豆皿も集めたんですね。ですが、上手く使いこなす方法がわからなくて……。あと豆皿以外にも、和食器と洋食器のコーディネートに挑戦してみたいのですが、気をつけるポイントはありますか?

千鳥スタッフ:最近の和食器は、洋のエッセンスがある作品も多いので、実は和と洋を組み合わせたコーディネートもまとまりやすいと思います。器の選び方や配置も大切ですが、まずはどういう完成図にしたいかを決めるといいですね。

石井さん:そうなんですね!

千鳥スタッフ:あとは、前回石井さんも仰っていたように“器から料理を考える”のはとても大切なことです。たとえば夏でしたら、暑い日にガラスの器に似合うメニューを考えるのもいいですよね。器以外にも、冬なら木製の折敷を取り入れると食卓の表情も温もりのあるものに変わりますよ。

石井さん:季節を感じられる食卓なら、日々の食事が楽しくなりますよね。

千鳥スタッフ:そうですね。毎日の食卓も、ただ食事をするためだけに料理を盛るのではなく、この器に何を盛りつけたら活きるのかを考える方法もいいと思います。

石井さん:確かに、器からお料理をイメージするのっていいですよね。

千鳥スタッフ:器に盛った時のイメージから逆算して考えると、食材を切るサイズ感まで変わります。千鳥のサイトやインスタに投稿している料理の写真を撮る時は、いつもそうやって準備していますよ。

石井さん:見た目も美しく、四季を取り入れた食卓をイメージしながらのお料理なら、作るのも楽しくなりそうですね。上手にコーディネートできるようになりたいです。よろしくお願いいたします!

石井さんがうつわ千鳥スタッフに学ぶ 絵になるテーブルコーディネート術

「器から料理を考えることで毎日の食事がより楽しくなった」と石井さん。
さらに集めた器で上手にコーディネートができるようになるため、
千鳥さんに教えていただくことに。
1つは石井さんの私物の豆皿を使った和洋のコーディネート、
もう1つは焼締めの平皿を季節に合わせて使いまわす方法を学びました。

もっと輝きが増す お気に入りの豆皿の楽しみ方

和

補色といろいろな形の
組み合わせでリズムを作る

From Chidori

石井さん私物の緑の豆皿(★マーク)をメインに配置。目立つ色の器は1点使いでなく、補色の器と一緒に並べると互いの色を引き立てて華やかにまとまるので、赤のレンゲCを組み合わせてみました。またメインの周りにBの思い切った変形のものや丸、楕円、四角など色々な形をリズミカルに並べて、華やぎ御膳に仕上げました。

miho’s comment

中央の緑の豆皿はアクセントになりそうと思いつつ、活かしきれていないと感じていた器。差し色使い以外にも、補色となる色の器と一緒に取り入れるという方法は新発見でした。これはぜひ他の器やコーディネートでも応用してみたいと思います。

和
A増田 勉 刷毛目小皿¥1,600 B新道工房 花文漢詩開扇小向¥3,600 C松浦コータロー 牡丹文レンゲ¥4,000 D豊増一雄染付豆小鉢(馬)¥2,800 E豊増一雄 福字豆皿¥2,500 F志村睦彦 染付桃型箸置き¥1,000 G石川漆宝堂 ¥4,000西川崇史 ¥22,000 (すべてうつわ千鳥) ★はすべて石井さん私物

洋

メインのリム付き皿で
和食器を洋にまとめて

From Chidori

石井さんの豆皿も使い、和食器で洋のコーディネートに。メインに使ったEは一段上がった帯状の縁部分=リムがある平皿で、さらに花柄の染めなので洋テイストにも合わせやすいものです。Eの下に挟んだランチョンマットが大小サイズの違うお皿のつなぎ役になるので、周りに並べた豆皿や小皿も好バランスにまとまります。

miho’s comment

以前、フレンチレストランなどで取り入れられているのを見て以来、気になっていた洋食の和食器を使ったコーディネート。メインに使ったようなリム付き皿やランチョンマットがあれば、豆皿も洋風にも使えると知り勉強になりました!

洋
A永島義教 アルミ片耳プレートS¥3,500 B永木 卓 高台グラス¥3,200、名古路英介 平板茶托 ナラ¥2,250 C阿部春弥 白磁牡丹豆皿¥1,500 D沼田智也 鎬文3寸皿¥2,000 E沼田智也 花唐草文7.5寸リム皿¥6,000 F永島義教 ディナーナイフ(いぶし)¥6,000、同 ディナーフォーク(いぶし)¥4500 G花岡央 ビスケット¥2,000 H花岡央 モール小鉢¥3,200 I宮下敬史 スプーン ロング(山桜)¥2,400(すべてうつわ千鳥) ランチョンマット(UTSUWA) ★はすべて石井さん私物

夏&冬、季節に合わせたテーブルコーデをマスター

焼締め七寸段平皿
春

涼しげな色合わせと
素材で爽やかに見せる

From Chidori

メインに使ったのは石井さんも愛用の焼締めの平皿。そのままでも十分素敵ですが、レストランでは夏に霧吹きなどで器を濡らして使われることも多いです。瑞々しさが出せるので、夏野菜を使った料理などにも最適。メイン以外はガラスと白、ブルーの世界観にまとめると涼感を演出できます。

miho’s comment

メインの焼締めの平皿は私も似たものを持っていて、食卓によく登場する1枚です。今年は、水で軽く濡らすひと手間で夏らしく使いたいと思いました。ランチョンマットやシルバー食器なども取り入れて食卓も涼しげにまとめたいですね。

春
A松村英治 焼き締め七寸段皿¥4,000 B永島義教 アルミ片耳プレートS¥3,500 C花岡央 アクセサリーカバー¥2,700 D阿部春弥 白磁菊花4寸皿¥2,200 E宮岡麻衣子 竹にぐるぐる文小鉢¥3,400 A花岡央GRICE Tコップ¥3,200 F清水なお子 花丸楕円豆皿¥2,000 G土井善男 白磁草花文レンゲ¥2,500 H土井善男 乳白釉松葉小皿¥1,800 I花岡央 mitsuha¥3,500 K阿部春弥 白磁箸置 モモンガ¥1,000、箸¥4,000 (すべてうつわ千鳥) ランチョンマット(UTSUWA)

冬

木の折敷と季節のモチーフ使いで
温もり感アップ

From Chidori

夏のコーディネートとは雰囲気を変え、しっぽりと夜長に晩酌するイメージで温かみのある色合いでまとめました。いろいろな肴をちまちまと楽しむなど、具体的なシーンまで考え、器と料理をコーディネートするのも楽しみのひとつ。雪の結晶の箸置きや、葉のモチーフの小皿などディテールで季節感を出してみて。

miho’s comment

木の折敷と季節のモチーフの小皿で雰囲気が出ますし、先ほどと同じ平皿でも印象ががらりと変わりますね。素材の取り入れ方を参考にしながら、自分らしい季節のコーディネートに挑戦したいです。

冬
A松村英治 焼き締め七寸段皿¥4,000 B大原光一 緑灰釉皿(7cm)¥800 C大原光一 緑灰釉皿(9cm)¥1,500 D木村 勲 酒カップ¥2,000 E吉田 学 織部マット片口¥5,000 F田鶴濱守人 魚文醤油皿¥1,200 G志村睦彦 刷毛目小皿¥2,200 H19 ¥2,200 I音喜多美歩 葡萄ノ葉皿¥1,500 J宮下敬史 豆皿 ¥4,000 K余宮 隆 自然灰釉鎬輪花ぐい呑¥6,000 L阿部春弥 白磁箸置き(雪) ¥1,000お箸 石川漆宝堂 ¥4,000木の折敷 名古路英介 ¥9,000(すべてうつわ千鳥)

ドラマチックさがポイント♡ うつわ千鳥さんこだわりの写真が知りたい

5.8万人を超えるインスタグラムのフォロワーをもち、器の投稿も人気の千鳥さん。初心者さんにおすすめな上手に写真を撮る1番のコツは、カーテンで光の入る量を調整しながら10~15時の間に自然光で撮影することだそう。写真に自信がない人は、きれいに撮れる時間と場所をまずは見つけてみましょう。
さらに慣れてきたら、今度は撮りたい写真のイメージに合った光が差す時間を探すのも◎。千鳥さん撮影の左の写真は、器のつるっとした質感を強調できるように、右はゴツゴツとした質感が伝わるように光や背景を調整しているとのこと。光の質にこだわることで、より味わいのある写真に仕上がります。

(左)宮岡麻衣子 白磁陽刻柘榴文鉢 ¥6,000 (右)木村勲 灰釉中鉢 ¥5,000(ともにうつわ千鳥)

器の学びを終えて

私にとって器とは、食事の時間をより豊かにしてくれる大切な存在です。お料理がマンネリ化しても、箸置きひとつ、器ひとつ、季節のものに変えるだけで日々楽しんで取り組めますよね。衣食住は大事なものなので、ただ食べるだけで適当な器に盛りつければいいというのではなく、ぜひみなさんにもこだわってみてほしいなと思います。

お知らせ

美容家・石井美保さんに〝コミュニケーション〟をテーマにお話いただいた連載「Lady Mind」。連載リニューアルのため一度お休みいたします。
次回からは、新サイトで月1回更新となる予定です。
詳しくは近日中にお知らせします。お楽しみに♡

撮影/寿友紀 ヘア/大野朋香(air)
撮影協力/高橋奈央 UTSUWA デザイン/瀬尾侑平

この記事が気に入ったら